根管治療ではストリップパーフォレーション、トランスポーテーションを避けて、インプラント回避。
再根管治療(452歯)の24か月予後をデンタルXエックス線写真で調査した結果、根管の解剖学形態が維持されていない症例では、維持されている症例に比べて結に成功率が低かった。(P<0.0001)
特にトランスポーテーションは治療の失敗に大きく関与した。
1)根管の解剖学的形態が維持されている。 成功(%)
石灰化 53.1%
アピカルストップ 76.1%
破折器具 96.7%
アンダー根充 100.0%
全体の成功率 86.1%
2)根管の解剖学的形態が維持されていない。 成功(%)
トランスポーテーション(根尖孔の変位) 35.6%
根尖部の吸収 71.4%
穿孔 60.5%
ストリッピング 28.0%
内部吸収 71.4%
全体の成功率 48.3%
(参考文献)
Gorni FG, Gagliani MM. The outcome of endodontic retreatment : a 2-yr follow-up. J Endod. 2004 ; 30 (1) : 1-4.
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根管治療が上手くいかないと理由で、インプラント治療を希望される方がいます。
この文献にもありますが、再根管治療で予後不良なものには、根管の解剖学的形態が維持されていない症例、特にトランスポーテーションとストリップパーフォレーションがあるようです。
エンドの世界では、ニッケルチタンロータリーファイルが普及して久しいですが、ストリップパーフォレーションが起きやすい、くびれた歯根形態のケースでは、根管壁の状態を手指の感覚で感じながら、繊細に仕事を進めるしかないように感じます。