根管治療が治療時間がかかる理由。

・根管の形態は必ずしも円錐形を呈していないことは周知の事実である。
Wuらは、下顎第一大臼歯の近心頬側根管において根尖側1/3で92%が根管の形態が正円形ではないことを報告している。
これら楕円形を呈している根管の根管形成に関して、手用ステンレススチールファイル(バランスドフォース法)を用いた場合には、61.4%も非切削エリアが存在することも報告されている。
また、米国歯内療法学会の発行する症例難易度評価フォームでは、30度以上の湾曲を有する根管やS字状を呈する根管、根尖部の直径が1.5ミリ以上の根管は症例として難易度が非常に高いと示している。
(参考文献)
Wu MK, van der Sluis LW, Wesselink PR. The capability of two hand instrumentation techniques to remove the inner layer of dentine in oval canals. Int Endod J 2003 ; 36(3) : 218-224.
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根管治療は治療回数や治療時間をより多く必要とされることが多いです。
今回の報告により、根管形態が円錐形態を呈していないため、根管拡大が必要不可欠であるとともに、根管洗浄もそれと同じくらい重要であることの理由となると考えられます。
根管治療は歯科の基本の処置といっても過言ではありませんが、近年高齢者でも歯を保存できる時代に突入しているためか、根管治療はより難易度が高まっているように感じます。

2020年4月20日

hori (08:42)

カテゴリ:インプラントと歯内療法

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