根尖が開窓している歯牙は?
Yoshikawaらによる根尖病変が存在した歯の根尖をCBCTで観察した報告では、すべての歯種の中で、上顎犬歯が最も根尖突出の割合が多かった(39%)とされている。
上顎犬歯の根尖はもともと犬歯窩の薄い頬側歯槽骨に近接しているが、そうした骨隆起は吸収しやすいため、骨の開窓により根尖突出が生じやすい。
したがって、彼らの報告では、病変のある歯を精査しているため、唇側の歯槽骨が吸収して根尖が突出したものが多かったと推察される。
一方、健全な状態の歯を対象として開窓と根尖突出をCBCTで精査した中国のPanらは、上顎犬歯の開窓(さまざまな形態の改装や根尖突出を含めて)の割合は7.58%であり、上顎第一小臼歯(10.46%)、上顎側切歯(7.80%)に次いで全歯種の中で3番目であったと報告している。
(参考文献)
Pan HY, Yang H, Zhang R, Yang YM, Wang H, Hu T, Dummer PM : Use of cone-beam computed tomography to evaluate the prevalence of root fenestration in a Chinese subpopulation. Int Endod J, 47 : 10-19,2014.
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歯根の根尖が開窓していると、根尖は歯槽骨ではなく、粘膜下に存在します。
そのような時、患者さんサイドが指で押すと痛みを感じる原因になるのではないかと考えています。
また痛覚は歯槽骨より粘膜が、同じ粘膜でも上顎臼歯部よりは上顎前歯部の方が多いので、
上顎2・3・4、特に上顎側切歯のオーバーインスツルメントやオーバー根管充填は気を付けた方がいいといえるかもしれません。