スクリュー固定とインプラント周囲炎
・スクリュー固定とインプラント周囲炎の関係性
材質がゴールドであれば、その撓みに術者が気が付くことができるが、チタンになると分からなくなる。
チタンは剛性が高く、不適合であっても撓まない。
そのため、不適合のままおよそ15度角で精度が良いと誤認し、そのままさらに強い推奨トルクで締結すると、応力は骨縁に残留し、これがインプラント周囲炎のトリガーになると考えられる。
今日、「バクテリアが主たる原因」との説が主流ですが、必ずしもそうではありません。
実際、単独修復に比較して、連結された修復物の方が骨吸収が認められる印象があるくらいだからです。
(クインテッセンス デンタル・インプラントロジー 2015年vol.22 5 )
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インプラントの上部構造には、主なものにスクリュー固定とセメント固定があります。
インプラントによる審美治療を追求しすぎたことが関係してか、セメント固定でのセメント取り残しによるインプラント周囲炎が問題になるようになりました。
(インプラント上部の被せ物の辺縁を歯肉縁下深い部位へ設定することで、セメントの除去が困難になりました。)
それならばと、セメントを使用しないスクリュー固定が注目されるようになりました。
しかしながら、セメントを使用しないセメント固定が増えても、期待したほどインプラント周囲炎の割合や頻度が減少したという報告は聞いたことがありません。
セメント固定とスクリュー固定という方法の違いはもちろんありますが、それと同じくらい結果に大きく影響を与えるのが、術者の違いです。
結局のところ、誰が施術するかによって、インプラントの"もち"は決定される部分が大きいということです。
また、今回の記事にもありますが、インプラントメーカーがコストダウンを目的にして、固定するスクリューをゴールドからチタンに変えてしまったことも、スクリュー固定であったも、インプラント周囲炎が減らない理由の一つになっているという指摘もあります。
そしてもう一つ、そもそも現在のスクリュー固定のブームが来る前は、セメント固定が一般的でした。
そのときには、スクリューホールの部分で、咬み合わせの調整がしにくいという理由で、セメント固定が一般的だったはずです。
それを考えると、このブームは終焉する可能性もあります。
しっかりと自分の考えを持ち、"流行"に流されないように仕事をしたいものです。