インプラントの禁忌症の最近のブログ記事

インプラントの上部構造のトラブルは、ブラキサーで多く発生。

・Chrcanovicらのもう1編の研究は98名のブラキサーのインプラントでの合併症発生について同数の非ブラキサーと比較し、上部構造の人工歯破折は154対44、ポーセレンの破折は50対4、補綴装置の破折は17対1、スクリューの破折は96対3、スクリューの緩みは54対1、インプラントの破折は16対0と、ブラキサーで有意に高い合併症の発生を示した。
その中でChrcanovicらは多くの論文がブラキシズムとインプラントの失敗を関係を取り上げているが、ブラキシズムの定義が一定でない述べている。
Pormmerらは、48本の破折インプラントで異常咬合習癖の有無を検討し、89.6%はブラキサーで起こったと記述している。
(参考文献)
Chrcanovic BR, Kisch J, Albreksson T, Wennerberg A. Bruxism and dental implant treatment complications : a retrospective comparative study of 98 bruxier patients and a matched group. Clin Oral implants Res 2017 ; 28(7) : e1-e9.
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インプラントの上部構造のトラブルは、やはりブラキサーで多く発生しているようです。

2019年8月15日

hori (08:52)

カテゴリ:インプラントの禁忌症

ペニシリンアレルギー患者のインプラントの失敗率は有意に高い。

・患者レベルで解析した結果、非ペニシリンアレルギー患者は12名のうち1名(8%)でインプラントの失敗が起こり、ペニシリンアレルギー患者では4名のうち1名(25%)でインプラントの失敗が起こっていたことから、インプラントの失敗率はペニシリンアレルギー患者の方が有意に高いことが分かった。
ペニシリンアレルギー患者に対し、3.84のリスク比でインプラントの失敗が高かった。
さらに、ペニシリンアレルギー患者では、21.05%が後期の失敗に分類され、78.95%が早期の失敗に分類されていた。
早期の失敗理由としては、オッセオインテグレーションの喪失が80%で、コントロールできない感染が20%であった。
後期の失敗理由としては、X線的なインプラント長径の50%以上の骨喪失が75%で、インプラントの動揺が25%であった。
続いて、インプラントレベルでの統計を行った。
2747本のインプラントが本研究の対象だった。
133本のインプラントは非ペニシリンアレルギー患者で失敗が認められた(5.17%)、33本のインプラントはペニシリンアレルギー患者で失敗が認められた(18.86%)。
インプラントの失敗率はペニシリンアレルギー患者で有意に高かった。
ペニシリンアレルギー患者では、非ペニシリンアレルギー患者に対して、3.64のリスク比でインプラント失敗が高かった。
インプラントでは、ペニシリンアレルギー患者の27.27%は後期の失敗であり、72.72%は早期の失敗だった。
早期の失敗理由としては、オッセオインテグレーションの喪失が87.5%で、コントロールできない感染が12.5%だった。
後期の失敗理由としてはX線的なインプラント長径の50%以上の骨喪失が55.55%、インプラントの動揺が33.33%で、インプラントの破折が11.11%だった。
(参考文献)
Salomo Coll O Lozano Carrascal N Lazaro Abdulkarim A Hernandez Alfaro F Gargallo Albiol J Satorres Nietro M Do penicillin allergic patients a higher rate of implants failure? Int J Oral Maxillofac Implants 2018 ; 33(6) : 1390-1395.
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ペニシリンアレルギー患者のインプラントの失敗率は、非ペニシリンアレルギー患者と比較して、有意に高いそうです。
また、失敗の理由の大半は、オッセオインテグレーションの喪失だそうです。

2019年4月15日

hori (08:42)

カテゴリ:インプラントの禁忌症

他院で装着されたノンメタルクラスプデンチャーの修理

・他院で装着されたノンメタルクラスプデンチャーを修理する場合は、その材料が分からないが、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂およびアクリル系樹脂のいずれの熱可塑性樹脂にも有効であったロカテック処理後にスーパーボンド処理をする表面方法を応用し、その後、修理用常温重合レジンあるいはリライン用アクリルレジンで修理する方法が、考えられるベストな方法であろうと思われる。

(接着の論点 )

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これまでノンメタルクラスプデンチャーは、古くからの材料であると、義歯と顎堤との間に隙間が生じた場合、再製作以外の方法はないとされてきました。

しかしながら、接着の分野の研究報告により、材質が何であろうとも、ロカテック処理にスーパーボンドで処理を行い、その後通常通りリラインすれば、再度義歯が使用可能となることが明らかになりました。

以前の常識が、現在の非常識になる一つの例であろうと考えています。

そのような意味でも日々の研鑽は必要ですね。

2016年11月20日

hori (11:01)

カテゴリ:インプラントの禁忌症

BP治療下患者に対するインプラント治療および骨増生

・ビスフォスフォネート治療下における自家骨を用いた大規模骨造成およびインプラント埋入 : 15のケースシリーズ
BP治療下にある患者は、ビスフォスフォネート関連顎骨壊死(以下 BRONJ)との関係性のために、インプラント治療および骨増生に対し高リスクとなる。
個人のリスクプロファイルに従って選択された。
問診より骨粗鬆症のためBP製剤を服用中との15名の患者に対し、大規模骨増生および歯科インプラント埋入を行った。
47部位においては、採取した下顎ブロック骨をブロック骨分割テクニックに従って移植し、14部位には上顎洞底拳上術を施した。
71本のインプラントを埋入し、4か月後に補綴治療を行った。
大部分の移植骨は期待通り治癒し、計画通りの部位にインプラントを埋入できた。
2名の患者に移植骨の不完全な治癒を認めたため、インプラント埋入時再度骨増生を施した。
他の2名に軟組織の限局した壊死を認めたが、局所麻酔で問題なく対応できた。
即時荷重を行ったインプラントが1本喪失した。
すべてにおいて治癒は順調であり、BP製剤使用の既往がない患者と同等であった。
最長6年のフォローアップ期間中、重度の骨吸収、BRONJ、感染もしくはインプラント周囲炎は生じず、すべてのインプラントは臨床的にもX線学的にも良好なオッセオインテグレーションを維持した。
個人のリスクプロファイルに応じてBP治療を制限することで、骨増生を成功裡に行うことが可能であった。
さらなる調査研究が必要である。
(参考文献)
Extensive Autogenous Bone Augmentation and Implantation in Patients Under Bisphosphonate Treatment : A15
-case Series. Founad Khoury, DMD,phD / Herman Hidajat,DMD Int J Periodontics Restorative Dent 2016; 36:9-18. doi: 10.11 607/prd.2608.
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一般に、ビスフォスフォネート(以下BP)治療下にある患者は、ビスフォスフォネート関連顎骨壊死(以下 BRONJ)との関係性のために、インプラント治療および骨増生に対し高リスクと言われています。
また、BP製剤を内服薬として服用している人よりも注射薬として静脈内注射している人の方が、BRONJのリスクは高いともいわれています。
今回の文献では、BP製剤を内服薬として服用している人を対象に骨増生を含めたインプラント治療を行った結果、BP製剤使用の既往がない患者と同等であることが明らかになりました。
今回紹介した文献はアブストラクトのみということもあり、内服薬の服用期間が書かれていないので、更なる情報収集をしたうえで、実際のインプラント臨床に役立てたいと考えています。

2016年11月10日

hori (16:34)

カテゴリ:インプラントの禁忌症

パッチテストの信頼度は低い?!

・パッチテストによる金属アレルギーの診断
日本接触皮膚炎学会で行われているスタンダードアレルゲンによる多施設調査では、ニッケル、コバルト、クロム、水銀、白金などの金属がパッチテスト陽性率の上位を占めているが、パッチテストの結果が、直接、対象となった皮膚疾患の原因を表しているわけではない。
パッチテストの条件によっては試薬の金属に対して刺激反応を呈する場合もあり、陽性所見を示した金属が必ずしもその個体にとってのアレルゲンとは限らない点にも注意するべきである。
刺激反応を除外するためには、貼付後7日目以降の反応を確認するか、希釈系列による確認パッチテストを行うことが望ましいが、実際には詳細な検討がないまま、その金属のアレルギーと診断されているケースがある。
つまり、金属パッチテストの結果からは、その個体の各種金属イオンに対する感作状態をある程度評価することはできるが、その結果だけでは陽性反応の得られた金属を回避ないし除去する必要があると断定まではできない。
・チタンアレルギーの確定診断はさらに難しい!
金属アレルギーの中でも、チタンアレルギーは近年増加傾向にあるという報告もあり、念のため、皮膚科への対診が必要である。
チタンアレルギーがあればインプラント治療は禁忌であるが、皮膚科で行われるチタンに関するパッチテストの信頼度を疑問視する(偽陽性の場合もある)意見もあり、必ずしも診断は容易ではない。
(本音を教えて! GPが知りたい インプラント外科Q&A67 )
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パッチテストで特定の金属に対して陽性であっても、必ずしもその金属がアレルゲンとは限らなく、またチタンアレルギーの確定診断は、他の金属よりもさらに難しいようで、偽陽性の可能性がないか慎重に検査を進めなければならないようです。
パッチテストの信頼性が揺らぎそうですね。

2015年12月10日

hori (11:19)

カテゴリ:インプラントの禁忌症

BP製剤経口投与患者は、インプラント絶対的禁忌症ではない。

BP製剤経口投与患者については、術前・術中・術後において口腔内清掃が徹底できる症例であれば、インプラント治療は相対的禁忌症として扱う。
また、BP製剤とは別だが、乳がん、前立腺がん、多発性骨髄腫は、顎骨壊死を起こしやすい3大疾患であるため、インプラント治療は避けるべき(絶対的禁忌症)との勧告も出ている。(日本歯科骨粗鬆症研究会 2012年3月18日、第10回学術大会 日本歯科評論 5月号 p165)
(インプラント治療の根拠とその実践 より)

2014年5月15日

hori (15:48)

カテゴリ:インプラントの禁忌症

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