パッチテストの信頼度は低い?!

・パッチテストによる金属アレルギーの診断
日本接触皮膚炎学会で行われているスタンダードアレルゲンによる多施設調査では、ニッケル、コバルト、クロム、水銀、白金などの金属がパッチテスト陽性率の上位を占めているが、パッチテストの結果が、直接、対象となった皮膚疾患の原因を表しているわけではない。
パッチテストの条件によっては試薬の金属に対して刺激反応を呈する場合もあり、陽性所見を示した金属が必ずしもその個体にとってのアレルゲンとは限らない点にも注意するべきである。
刺激反応を除外するためには、貼付後7日目以降の反応を確認するか、希釈系列による確認パッチテストを行うことが望ましいが、実際には詳細な検討がないまま、その金属のアレルギーと診断されているケースがある。
つまり、金属パッチテストの結果からは、その個体の各種金属イオンに対する感作状態をある程度評価することはできるが、その結果だけでは陽性反応の得られた金属を回避ないし除去する必要があると断定まではできない。
・チタンアレルギーの確定診断はさらに難しい!
金属アレルギーの中でも、チタンアレルギーは近年増加傾向にあるという報告もあり、念のため、皮膚科への対診が必要である。
チタンアレルギーがあればインプラント治療は禁忌であるが、皮膚科で行われるチタンに関するパッチテストの信頼度を疑問視する(偽陽性の場合もある)意見もあり、必ずしも診断は容易ではない。
(本音を教えて! GPが知りたい インプラント外科Q&A67 )
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パッチテストで特定の金属に対して陽性であっても、必ずしもその金属がアレルゲンとは限らなく、またチタンアレルギーの確定診断は、他の金属よりもさらに難しいようで、偽陽性の可能性がないか慎重に検査を進めなければならないようです。
パッチテストの信頼性が揺らぎそうですね。

2015年12月10日

hori (11:19)

カテゴリ:インプラントの禁忌症

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