ペニシリンアレルギー患者のインプラントの失敗率は有意に高い。

・患者レベルで解析した結果、非ペニシリンアレルギー患者は12名のうち1名(8%)でインプラントの失敗が起こり、ペニシリンアレルギー患者では4名のうち1名(25%)でインプラントの失敗が起こっていたことから、インプラントの失敗率はペニシリンアレルギー患者の方が有意に高いことが分かった。
ペニシリンアレルギー患者に対し、3.84のリスク比でインプラントの失敗が高かった。
さらに、ペニシリンアレルギー患者では、21.05%が後期の失敗に分類され、78.95%が早期の失敗に分類されていた。
早期の失敗理由としては、オッセオインテグレーションの喪失が80%で、コントロールできない感染が20%であった。
後期の失敗理由としては、X線的なインプラント長径の50%以上の骨喪失が75%で、インプラントの動揺が25%であった。
続いて、インプラントレベルでの統計を行った。
2747本のインプラントが本研究の対象だった。
133本のインプラントは非ペニシリンアレルギー患者で失敗が認められた(5.17%)、33本のインプラントはペニシリンアレルギー患者で失敗が認められた(18.86%)。
インプラントの失敗率はペニシリンアレルギー患者で有意に高かった。
ペニシリンアレルギー患者では、非ペニシリンアレルギー患者に対して、3.64のリスク比でインプラント失敗が高かった。
インプラントでは、ペニシリンアレルギー患者の27.27%は後期の失敗であり、72.72%は早期の失敗だった。
早期の失敗理由としては、オッセオインテグレーションの喪失が87.5%で、コントロールできない感染が12.5%だった。
後期の失敗理由としてはX線的なインプラント長径の50%以上の骨喪失が55.55%、インプラントの動揺が33.33%で、インプラントの破折が11.11%だった。
(参考文献)
Salomo Coll O Lozano Carrascal N Lazaro Abdulkarim A Hernandez Alfaro F Gargallo Albiol J Satorres Nietro M Do penicillin allergic patients a higher rate of implants failure? Int J Oral Maxillofac Implants 2018 ; 33(6) : 1390-1395.
*****
ペニシリンアレルギー患者のインプラントの失敗率は、非ペニシリンアレルギー患者と比較して、有意に高いそうです。
また、失敗の理由の大半は、オッセオインテグレーションの喪失だそうです。

2019年4月15日

hori (08:42)

カテゴリ:インプラントの禁忌症

« 40歳以下の口腔がん患者は増大傾向にある。 | ホーム | 口腔がんの重篤度を示す指標 »

このページの先頭へ