治りにくい歯周病
・池田は著書の中で、治りにくい歯周病の特徴として、
1.力の関与
2.臼歯の根分岐部病変が上下左右にある。
3.プロービングデプスパターンが咬合型(頬舌的に歯周ポケットが深い等)
4.歯の動揺が歯周組織支持量に比較して顕著
5.全身疾患の関与
という項目を挙げており、歯周組織、根分岐部病変に対する共同破壊因子としての力の影響を強く示唆している。
(根分岐部病変 より)
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治りにくい歯周病の特徴は以前にも紹介しましたが、やはり力の関与が大きいケースかと思います。
歯に過大な咬合力がかかった場合に、どのような状態になりやすいかというと、いわゆる根分岐部病変を有する歯があったり、レントゲンや歯周組織検査では歯の周囲に歯槽骨はあるのに、歯の動揺の程度が大きいようなケースが挙げられます。
以下に、具体的に根分岐部病変とはどのようなものか説明しましょう。
大きな咬合力がかかる大臼歯には、その咬合力に耐えられるように、通常複数の歯根に分かれています。
歯磨きができているかどうかで歯周病の状態は左右されますが、この力の関与が強く疑われるケースでは、汚れが残りやすい歯と歯の間ではなく、歯の内側中央部あるいは外側の中央部の歯周ポケットが局部的に深くなる傾向があります。
歯磨きが上手ではない人でも、この場所はきれいにできるだろうというような場所の歯周ポケットの深さが増大しているのが、根分岐部病変であると言えます。(もちろん、すべてではありませんが。)
根分岐部病変があり、その部位を抜歯即時インプラントをご希望の方は少なくありませんが、そのような方ほど、インプラントの上部構造を装着した後には、しつこいくらいの咬合調整を続けないとインプラントの長期安定は望めません。
各人の力の関与の大きさは、持って生まれたようなものなので、歯を失ってその部位がインプラントに置き換わっても、そのまま残るからです。