ジルコニアはエナメル質の3倍以上の硬度。

・エナメル質の硬度は、ちょうどハイブリッドレジンとポーセレンの中間に位置します。
そしてジルコニアはエナメル質の3倍以上の硬度を有します。
Dr中込自身は、口腔内の、特に外装材としてジルコニア(つまりはフルジルコニア)を使用することには完全に否定的な見解を抱いています。
その理由は当たり目のように「硬すぎる」ということです。エナメル質の3倍以上の硬さでは、対合歯の摩耗はもちろんのこと、天然歯であればエナメル質の割れ、また歯根破折の危険性等、多くのマイナスの反応が出ることが容易に予測できます。
(補綴臨床 2018年3月号 )
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私も硬すぎるフルジルコニアをインプラントの上部構造に選択することは、今のところ考えていません。
咬合力は上下に同じだけかかるわけですから、フルジルコニアの対合が天然歯であれば、歯冠破折、歯根破折、垂直性骨吸収などのトラブルが惹起されるものと推測されます。
一方、上部構造にフルジルコニアを選択した場合のインプラントは、上部構造が破壊されないだけに、歯槽骨吸収やリテインニングスクリューの破折、インプラント体の破折等の問題を惹起します。
また硬すぎるということは、それ自身の咬耗がほぼないだけでなく、咬合調整が非常にやりにくいことも意味します。
生体は常に変化しています。
定期的な咬合調整を行うことで、特定のインプラントや天然歯に過大な咬合力が集中することを可及的に回避することが重要であると考えています。

2018年5月20日

hori (16:35)

カテゴリ:アバットメントの強度

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