オールオンフォーは清掃性が悪い術式である。
・昨今、治療期間の短縮や外科的侵襲を最小限とする目的から、既存骨に意図的にインプラントを傾斜埋入する術式が紹介されているが、インプラントに支持された補綴物周囲は非常に清掃しにくい環境となることから予後に不安を残す処置となる。
よって、歯槽骨の欠損を伴う部位にインプラントを埋入する際には、既存骨内に埋入することを優先するのではなく、修復の計画から見て形態的・力学的に好ましいインプラントの位置を三次元的に推定し、可能な限りその位置に埋入するよう心掛けるべきである。
(ザ・クリニカルデンティストリー 成功に導くためのエッセンス より)
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私がオールオンフォーという術式を好まない理由は、このオールオンフォーではインプラントの傾斜埋入がほぼ必須だからです。
インプラントを傾斜埋入すると、垂直埋入と比較して清掃性が悪いために、インプラントの長期安定に不安があるからです。
また、インプラントに対して、40度まで角度を自由に変えることができるアバットメントは、N社が特許を持っており、他社の多くは17度までの角度付きアバットメントしかありません。
(N社の40°角度付きアバットメントの特許がもう切れているはずですが、類似品が出たとの報告は私はまだ聞いておりません。
既存骨に傾斜埋入を考える場合、40度の角度付アバットメントは大変魅力的というか、シビアなケースではなくてはならないものとなります。)
また、オールオンフォーは、発音障害や異物感を減らすために、上部構造体を歯肉に密着させるために、ますます清掃性が悪くなります。
さらに、N社のインプラントの表面性状は、タイユナイトというものなのですが、このタイユナイトは他の表面性状と比較して、インプラント周囲炎になりやすいという研究報告があるのも、私がオールオンフォーを"是"としない理由の一つになります。