インプラント周囲炎のリスクが高まるPPDの大きさとは?!

・Pjeturssonら(2012)は動的歯周治療終了時点でPPDが5ミリ以上の歯周ポケットが残存していることが、インプラント周囲炎発症とインプラント喪失においてリスクであると報告している。
またLeeら(2012)は、歯周炎の既往がある患者においてインプラント周囲炎発症の割合が高かったものの、メインテナンス時に6ミリ以上の歯周ポケットが存在しない患者たちのインプラント周囲炎発症率は歯周組織が健康な患者と同程度だったと報告している。
(参考文献)
Pjetursson E, et al. : Peri-implantitis susceptibility as it relates to periodontal therapy and supportive care. Clin Oral Implants Res : 888-894,2012.
Cho-Yan Lee, et al. : Residual periodontal pockets a risk indicator for peri-implantitis in patients treated for periodontitis. Clin Oral Implatns Res, 23(7) : 325-333, 2012.
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やはり歯周病で歯を失った方にインプラント治療を行う場合、残存している歯牙も歯周病に罹患している場合は少なくありません。
将来のインプラント周囲炎のリスクを減少させるために、歯周病治療でPPDを5-6ミリ未満にするのか、抜歯するのかについて、インプラント治療を行う歯科医師は考えなくてはなりません。
ただし、歯周病治療でPPDを5-6ミリ未満にするのは時間がかかるからといって、保存できる歯まで抜歯し、インプラント治療を行うことは、医療従事者として良くないと考えています。
その際たるものが、ALL on 4です。

2017年10月 5日

hori (16:14)

カテゴリ:オールオンフォー

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