タイユナイトの表面性状を持つインプラントを高い埋入トルクで埋入すると・・・。
・チタン顆粒はDNA損傷応答を促進する。
タイユナイト処理されたインプラント由来のチタン顆粒は対象と比較し、有意にCHK2発現を活性化した(P<0.01)。
BRCA1の発現はフッ化処理、タイユナイト処理、グリッドブラスト処理されたインプラント由来のチタン顆粒においてコントロールと比較して、有意に高い活性を示した(それぞれP<0.05、P<0.01、P<0.001)
・彼らの仮設では、オッセオインテグレーションとは、チタンに対する生体異物反応に均衡が保たれている状態であり、セメントや印象材の残留、細菌汚染、喫煙、咬合荷重、未熟な外科手術などの因子により均衡状態が破たんし、周囲骨が起こるとされている。
本研究で着目されているチタン顆粒も均衡を破たんさせる因子の一つとされている。
・インプラント埋入手術中にインプラント表面よりチタン顆粒が放出され得ることが示された。
さらに、遊離チタン顆粒は口腔上皮細胞においてDNA損傷応答経路を活性化させる可能性があることが示された。
インプラント周囲軟組織に散布されたチタン顆粒の有毒性を評価するにあたり、DNA損傷応答経路マーカーを用いることは新規インプラント開発や新規インプラント表面性状の評価に有意義といえるかもしれない。
また埋入トルク値が高いほどチタン顆粒は発生しやすいため、骨とインプラントの摩擦が小さくなるような術式を取ることが求められる。
(参考文献)
Titanium Activates the DNA Damage Respnse Pathway in Oral Epithelial Calls. Suarez-Lpez Del Amo F, Rudek I, Wagner VP, Martins MD, OValle F, Galindo-Moreno P, Giannobile WV, Wang HL, Castilho Rm. : A Pilot Study Int J Oral Maxillofac Implants 2017 ; 32(6) : 1413-1420.
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タイユナイトはAll-on-4で有名なノーベルバイオケア社のインプラントの表面性状です。
All-on-4は、即時荷重インプラントなので、高い埋入トルク値が良いとされてきました。
(現在は、高い埋入トルクは辺縁骨を圧迫し骨吸収が惹起され、インプラントの初期固定が緩むために、必ずしも即時荷重に適しているわけではないということが明らかとなってきました。)
今回の報告で、タイユナイトのインプラントを高い埋入トルクで埋入した場合、インプラント表面からチタン顆粒が放出されることで、オステオインテグレーションを破壊する可能性が示唆されました。