抜歯即時インプラントを確実に成功させるために。
抜歯窩が必ず骨性治癒するとは限らない!
抜歯後6か月以上経過した541例の抜歯窩をCT画像で評価したところ、47例(8.7%)で抜歯窩にX線透過像が認められた。
部位は下顎臼歯部が34例(72.4%)、上顎臼歯部が12例(25.5%)、上顎前歯部が1例(2.1%)であった。
摘出したX線透過像部の病理組織学的診断は、線維性治癒が27例(57.4%)、腐骨あるいは変性骨が17例(36.2%)、残根が3例(6.4%)であった。
原因としては、抜歯時に存在していた慢性硬化性骨炎あるいは上顎大臼歯口蓋根相当部の硬い骨など、抜歯窩周囲骨の血流不足が考えられた。
(本音を教えて! GPが知りたい インプラント外科Q&A67 )
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抜歯即時インプラントの肝は、抜歯窩の不良肉芽を完全に取り去り、血液のプールの中にいかにインプラントを落ち着かせるかにあります。
ディコルケーションを徹底しても、歯槽骨が硬いところには、血管が少ないために、特に下顎大臼歯部に抜歯窩が線維性に治癒したり、腐骨化したりする場合があるのでしょう。
今回のデータは、インプラントを前提とした抜歯ではないですが、抜歯即時インプラントの成功率を向上させるためにも、歯槽骨の硬いところではより注意深い抜歯窩の掻把が重要となるといえます。