顎骨壊死様病変は抗がん剤とビスフォスフォネート製剤の併用投与群にしか起こらない。

・抜歯窩治癒不全の抗軟組織治癒を促進する脂肪組織由来幹細胞移植が骨髄の微小環境に与える影響
血管新生抑制はビスフォスフォネート性関連顎骨壊死の主原因とはならない、と仮説を立て、動物実験により検証を行いました。
その結果、抗がん剤を単独投与したマウスでも抗がん剤とビスフォスフォネート製剤を併用投与したマウスでも血管新生抑制が同程度に起こるが、顎骨壊死様病変は抗がん剤とビスフォスフォネート製剤の併用投与群にしか起こらないことを突き止めました。
さらに、抗VEGFA中和抗体を用いて血管新生を矯正的に抑制したマウスでも顎骨壊死様病変は発生しなかったことから、血管新生抑制は顎骨壊死の主原因とはならないことが強く示唆されました。
( 日本インプラント学会会誌 Implant News No.27 )
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顎骨壊死様病変は抗がん剤とビスフォスフォネート製剤の併用投与群にしか起こらないことが明らかになりました。
BP製剤だけでの投与では、顎骨壊死が生じないということです。
また、矯正的に血管新生を抑制しても、顎骨壊死が発生しなかったことも興味深いです。
今後に期待したいですね。

2018年10月15日

hori (10:04)

カテゴリ:インプラントと骨粗鬆症

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