インプラントについて

インプラント治療は、失った歯の代わりに、あごの中に人工の歯を埋め込む治療です。


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自分の歯と同じくらい、しっかり噛むことができます。
また、周りの歯に負担をかけることもありません。

ブリッジとインプラント

歯を喪失すると、第一選択はいわゆる「ブリッジ」という、両隣の歯に人工の歯を挟んだ一体型の冠を入れる方法となります。

 

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隣の歯に銀歯が入っていれば外して作り直し、まっさらな歯でも(虫歯が無くても)削る必要があります。

さらに、この治療法、形態上大きな問題を含んでいるのです。

 

歯を失ったときには

ちょっと前までは、何らかの原因で歯を失うと、
その部分に入れ歯を入れる治療が主流でした。

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歯科衛生士と歯科技工士

2020年歯科技工士国家試験
受験者数859人、合格者823人(合格率95.8%)
2020年歯科衛生士国家試験
受験者数7099人、合格者6602人(合格率93.0%)
(アポロニア21 7月号)
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googleでそれぞれの平均年収を調べたところ、歯科技工士は377万円、歯科衛生士は年収363万円という結果でした。
年収的にはさほど変わらない印象を持ちました。
ところが、仕事内容を考えてみると、歯科衛生士のお仕事は、比較的コンスタントでほぼ定刻で終了するのに対して、歯科技工士のお仕事は、暇な時と忙しい時の差が激しく、仕事の依頼が多い時は、徹夜で仕事をしなくてはならない場合もあるというくらい、時期によって仕事内容に大きな差があります。
また歯科衛生士さんは、PMTCの直後に患者さんに心から感謝される場合も多く、それがやりがいになっている方も多いことでしょう。
けれども、歯科技工士さんは、出来の良い補綴物を製作してもあまり褒められることはなく、むしろ装着時に時間がかかるような際には、クレームをつけられる場合すらあります。
インプラントの上部構造物には、腕の良い歯科技工士さんの仕事が不可欠です。
それにもかかわらず、歯科技工士の成り手が減少傾向にあるということは、日本の歯科治療の質の低下のリスクがあるということを日本国、あるいは厚生労働省は認識する必要があると考えています。

審美領域における光学印象は難易度の高い術式である。

・光学印象を直接法で用いる場合、作業模型がないので、得られたデータをもとに光造形モデルを起こして上部構造を製作しようとする試みがなされているが、まだまだ適合精度に問題がある。
間接法で行う場合は、ロボキャスト技術を用い、ラボアナログ付きの模型を製作することも可能であるが、粘膜貫通部の再現性が乏しい。
そして、何よりの欠点はデジタルコーディッドアバットメントの形態にある。
前歯部等の審美領域においてはティッシュスカルプティングを必要とするが、アバットメントの形態が円柱状であるために、スカルプティングを行うと、粘膜貫通部の上皮が破壊されやすく、アバットメントの着脱を最小限にすることと相反するため、ジレンマに陥ってしまう。
以上の点を考慮すると、いまだ審美領域における光学印象は難易度の高い術式であると考えられる。
アバットメント着脱を最小限にすることと、審美性を獲得するために、ティッシュスカルプティングを行いながら、審美的な補綴装置を製作する手法とは相反している。
また審美的な理由でジルコニアアバットメントを必要とする場合も多いが、強度を考慮すると適応症例は少なくなる。
一方、CAD/CAMアバットメントの利点としては、スクリューリテインの補綴装置を製作する場合、メーカーによっては鋳造のものと比べてアクセスホールを最小限にすることができるため、強度を上げることができる。
予めガイドサージェリーを用い、臼歯部においては咬合面の中央に、前歯部においては基底結節と切縁の中央に位置させることで、強度を保ちながらスクリューリテインの補綴装置を製作することが可能となる。
つまり、現時点ではデジタルデータのみでインプラント上部構造を製作することは難易度が高く、特に軟組織のマネジメントを考え、強度を有する上部構造を製作することは難しい。
(The Fabric of the Modern Implantology )
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最先端治療のCAD/CAMによるインプラント治療ですが、デジタルデータのみで臨床応用するには、現時点では困難であるようです。
今後に期待したいですね。

ISQ値は微小動揺に比例。

・TrisiらやPaglianiらによると、ISQ値はインプラントの埋入トルク値ではなく微小動揺に比例するとしている。
ISQ値が低いとインプラントの微小動揺が大きく、ISQ値が高いと微小動揺が小さいことを意味する。
つまり、埋入時においてISQ値が高い場合はインプラントの初期固定が高いことを意味し、術後経過時におけるISQ値の変化はインプラントの微小動揺が増減していることを現す。
(The Fabric of the Modern Implantology )
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即時荷重インプラントを行う多くの歯科医師は、これまで埋入トルクを記録して、即時負荷が可能かどうかの目安としてきました。
ところが、比較的最近、ISQ値が微小動揺に比例することが明らかになりました。
また埋入トルクが大きすぎることが、逆にインテグレーションを遅らせることも明らかになってきました。
これについても"昨日の常識は今日の非常識"といえる内容です。
やはり歯科医師は研鑽を続けなくてはなりませんね。
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