テンプレートを用いたコンピュータガイドインプラント治療の精度

・テンプレートを用いたコンピュータガイドインプラント治療の精度および臨床結果のシステマティックレビュー
テンプレートを用いたコンピュータガイドインプラント治療の精度および臨床応用に関する文献を本システマティックレビューの目的とした。
メタ解析分析で示された平均差が起始点および根尖部でそれぞれ1.07ミリ(95%Cl : 0.76-1.22ミリ)と1.63ミリ(95%Cl : 1.26-2ミリ)だった。
テンプレートの製法とテンプレートの支持および安定性に関して各研究の間に有意差は認められなかった。
症例中の早期の外科的合併症の発症率はフラップレスでインプラント埋入後、おもに即時荷重で行われた537本のインプラントの12-60か月間の生存率は91-100%であった。
テンプレートを用いたコンピュータガイドインプラント埋入は91-100%ほどの高いインプラント生存率を示した。
しかしながら、多数の技術に関連する術中の合併症が観察された。
妥当な平均精度が臨床前および臨床研究で示されたが最大偏差は比較的大きかった。
より長期な経過観察を含む臨床研究を増やし、術中の操作性、精度および補綴的な合併症などの観点からシステムを改善する必要がある。
(参考文献)
A systematic review on the accuracy and the clinical outcome of computer-guided template-based implant dentistry. Schneider D, Marquardt P, Zwahlen M, Jung RE. Clin Oral Implants Res 2009 ; 20 Suppl 4 : 73-86.
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テンプレートを用いたコンピュータガイドインプラント埋入は91-100%ほどの高いインプラント生存率を示しましたが、やはり気になるのが、多数の術中の合併症です。
精度のばらつきが大きいのも気になります。
同じく『テンプレートを用いたコンピュータガイドインプラント埋入』とは言っても、中間欠損における歯牙支持タイプなのか、総義歯に近い欠損様式における粘膜支持かによっても、精度のばらつきの程度は異なることでしょう。
また、『テンプレートを用いたコンピュータガイドインプラント埋入』があると助かるケースは、総義歯に近い症例に対して、傾斜埋入を積極的に行う治療計画を"是"とする場合ともいえるかもしれません。
個人的には、フラットな咬合平面に対して、垂直にインプラントを設置していく(垂直埋入)方が、メンテナンスを考えても妥当と考えているので、傾斜埋入もガイドサージェーリーも今のところ行っていません。
(傾斜埋入をしないということは、オールオンフォーも私の主義主張には合わないために、当院では行わないということです。)

2014年11月10日

hori (15:21)

カテゴリ:インプラントについて

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