1歯欠損補綴治療についての再考

1歯欠損補綴治療における経済評価:インプラントと固定性ブリッジの比較
結論として、インプラント治療の費用はブリッジによる治療よりも$251-325高く、治療部位にもよるが生存率も10.4%高いことが示された。
(参考文献)
Economic evaluation of single-tooth replacement : dental implant versus fixed partial denture. Int J Oral Maxillofac Implants : 29(3) : 600-607. Kin Y, Park JY, Park SY, Oh SH, Jung Y, Kim JM, Yoo SY, Kin SK
・上顎洞底拳上術を行うにあたって隣在歯が生活歯である場合には、その隣在歯の根尖部を被う上顎洞底粘膜を剥離しないように注意することが重要である。
生活歯の根尖部を被う粘膜を剥離した場合には、根尖孔から入る神経や欠陥が切断され、失活する可能性がある。
また、根尖孔から歯髄に感染がおよび歯髄の壊死や壊疽が生じる可能性もある。
(クインテッセンス デンタルインプラントロジー 2014 vol.21 5)
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1歯欠損に対するインプラント治療を行う際、歯槽骨が十分に存在するケースは必ずしも多くはありません。
そのような場合、GBR併用のインプラント埋入手術を計画することになります。
特に、歯槽骨が不足した上顎臼歯部インプラント治療では、上顎洞底拳上術が必要になりますが、隣在歯が生活歯の際には、その部位の上顎洞粘膜を剥離しないように配慮する必要があります。
また、他の論文で、『インプラント治療の費用はブリッジによる治療よりも$251-325高く、治療部位にもよるが10年生存率も10.4%高い。』ことが分かりました。
生存率が、10.4%違うからインプラント治療を選ぶという選択がある一方で、10.4%しか違わないからブリッジを選択するという場合もあるかと思います。
技術の日々の向上はもちろんですが、患者さんの満足のために、いろいろな角度から、有益な情報を得る努力を続けたいものです。

2014年11月 5日

hori (09:15)

カテゴリ:インプラントについて

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