ショートインプラント(8ミリ、9ミリ)の10年予後とは?!
ショートインプラント(8ミリ、9ミリの10年予後
<方法>
長さ9?以下のものをショートインプラントと定義し、ロングインプラントと連結していないショートインプラントでのみ支持された単冠、連結冠およびオーバーデンチャーを評価した。
<成功の基準>
1)動揺がないこと
2)持続する自覚症状が(痛み、その他の感覚異常)がないこと
3)5ミリを超えるポケットがないこと
4)BOPをともなう5?のポケットがないこと
5)インプラント周囲にX線透過像がないこと
6)機能開始1年後の垂直的骨吸収が0.2ミリ/年を超えないこと
<結果>
14名(女性11名、男性3名)の患者に52本のインプラントを埋入した。
年齢57.9±8.9歳、経過観察期間10.1±1.9年
上顎16本、下顎36本
前歯10本、臼歯42本
骨吸収の平均は、0.3±0.5?
<考察>
ロングインプラントはショートインプラントより予知性が高いとされてきたが、粗造表面インプラントが紹介されてから、両者の成功率は似通ってきた。
また、Blanesのシステマティックレビューでは、クラウン-インプラント比は周囲骨吸収に影響を及ぼしていないことが報告されている。
本研究の経過観察期間で埋入されたショートインプラントの生存率は100%、周囲骨吸収は平均0.3?という結果は、同じメーカーの同様の経過観察期間のロングインプラントの結果と同様であった。
<結論>
本研究では、様々な適応症例に対して埋入された10ミリ未満のショートインプラントを平均10年以上にわたって経過観察して評価した。
インプラントの生存率と成功率は100%であった。
したがって、ショートインプラントの使用はすべての骨造成の代替手段になるとは言えないけれども、長期間の安定した治療オプションの一つとなることが示唆された。
(参考文献)
Mertens C, Meyer-baumer A, Kappel H, Hoffmann J, Steveling HG. Use of 8-mm and 9mm Implats in Atrophic Alveolar Ridges : 10-Years Results. JOMI Vol.27 No.6 2012 ; 27(6) : 1501-1508.