このような方のインプラントはお断り!

左右の両側臼歯にインプラント治療を行う方で、片側ずつ治療を希望される方が少なくありません。

両側を同時に行うと、同時に左右の臼歯で噛める時期がくるので、噛み合わせの中心をコントロールしやすくなります。

しかしながら、片側ずつ治療を進める場合、顎位が先に治療を行った方にシフトするために、そのずれた位置で噛み合わせを構築することになります。

ということはすなわち、臼歯部のインプラントで顎位や咬み合わせを安定させ、前方の天然歯を守るということができなくなるのです。

さらに言えば、先にインプラント治療を行った側から、その後行った側に、噛み合わせは少しずつずれて行くので、左右的に安定しない噛み合わせになるということもできます。

噛み合わせが安定しない方では、インプラントもご自分の歯も咬合力のコントロールがうまくいかないので、またどこかの歯がダメになります。

歯とインプラントでは、歯槽骨に埋め込まれているインプラントの方が、大きな咬合力に耐えうるので、インプラントよりも先にご自分の歯がなくなるのです。

したがって、長期を見据えた治療計画に基づいていなければ、インプラント治療を受けたものの、以前と変わらず、ご自分の歯を定期的に失う結果となります。

堀歯科医院では、一度インプラント治療を受けた方が、再度他の部位でも治療を受けることがないようにすることを診療のポリシー、あるいは当院の存在意義と考えているので、両側に渡ってご自分の歯がないのに、片側だけインプラント治療を希望される方は、治療をお断りする場合があります。

私は、当院でインプラント治療を受けられた方は、可能な限り再治療がない状態を維持したいと考えています。

そのためには、咬み合わせを生涯に渡り、安定した状態を維持するということが必要なのです。


2011年11月18日

hori (11:45)

カテゴリ:インプラントについて

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