インプラント周囲角化歯肉が不足した際のリスク

この研究はインプラント周囲角化歯肉幅として2?を基準とし、インプラント最終補綴装着後6か月以上経過している患者100名、276本を後ろ向きに以下の5項目について評価している。

・Index of gingival inflammation (GI)

・Plaque index (PI)

・Buccal pocket depth (PD) 

・Gingival recession (GR)

・Crestal bone loss (BL)

 角化歯肉の幅を測定し、2?を基準に分類したところ、2?以下(DKM)ではGIが高かった(有意差なし)。

また、歯肉退縮と歯槽骨頂の吸収も観察された。(有意差あり)

インプラント周囲の角化歯肉が不十分であることは、口腔衛生管理と軟組織の健康状態に必ずしも悪影響は与えない。

しかし、角化歯肉の幅が2?以下の場合、歯肉退縮と歯槽骨吸収リスクが増える。


角化歯肉の幅によるインプラント周囲組織の反応

      DKM(?)    SKM(?)

GI    0.44±0.72     0.38±0.66    NS

PI    0.74±0.91     0.74±0.83    NS 

PD     2.62±1.55      2.84±1.80    NS

GR     0.72±0.99      0.32±0.69    P<0.01

BL     0.65±0.81     0.41±0.75    P<0.05

(参考文献)

Kim BS, Kim YK, Yun PY,Yi YJ,Lee HJ, Kim SG, Son JS, Evaluation of  peri-implant tissue response according to the presence of keratinized mucosa.Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 2009 ; 107(3) : e24-28.

2012年8月23日

hori (16:00)

カテゴリ:インプラントについて

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