インプラント表面のフッ素注入
インプラント表面にバイオフィルムが形成されると、抗生物質の薬剤耐性能力を有し、さらに遊離細菌により感染を増悪させる。
したがって、抗生物質に頼らない抗菌処理が求められる。
抗菌特性を生菌数測定法により検討した結果、フッ素イオン注入表面では特異的に抗菌性が示された。
薄膜X尖回析、X線光電子分光分析の結果からは、フッ素イオン注入処理面はTi-F化合物、TiOF、およびチタン酸化物から構成されていた。
また、最近の初期付着試験結果から、フッ素注入試料上ではチタン上でのそれと大差なく比較的多くの細菌が付着した。
これらのことから、フッ素注入試料で口腔内細菌の増殖抑制効果が認められた理由は、フッ素の徐放性によるものではなく、これらの細菌がいったんチタン表面に付着した後、最近の糖代謝がフッ素化合物により阻害されたことによると推察される。
(参考文献)
Yoshinari M, et al. Influence of surface modifications to titanium on antibacterial activity in vitoro. Biomaterials. 2001;22(14): 2043-2048.
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インプラント表面性状には、骨がスムースに結合するのに、インプラントの安定を阻害するバクテリアが付着するのは阻害してくれる、いわば人間に都合の良い性質をもったものが求められます。
フッ素イオン注入は、求められる性質の一つと考えられることでしょうね。