糖尿病の有無による歯周治療後の治癒に相違はみられるのか?
糖尿病罹患の有無によって歯周治療後の治癒・維持に違いがみられるか?
(要説)
糖尿病に罹患している中等度から重度の歯周炎が認められる患者20人をテスト群、テスト群と同程度の歯周病に罹患しているが糖尿病ではない患者20人をコントロール群とし、全員に徹底的な非外科処置を行った。
処置後3か月をベースラインとして、ベースラインから6か月後のリコールで、BoP+、PPD>5ミリの部位には歯周外科処置が行われ、その後もメインテナンスが行われた。
ベースラインから5年にわたる残存歯数、P?I、GI、PPD、CALの各指標の観察と比較を行ったところ、両群の間に有意差は認められず、糖尿病が罹患した歯周病患者といえども、適切な管理が行われていれば、少なくても5年間は糖尿病に罹患していない患者と同等に歯周組織の健康を維持できることが示された。
(コメント)
糖尿病がよくコントロールされ、長期的にも全身状態に変化がみられなければ、正確なプロトコルに基づく歯周治療を施すことで、非糖尿病患者と同様の結果を得ることができる。
全身疾患を有する患者には、特にSPTが重要だといえる。
(参考文献)
Westfelt E, Rylande H, Blohme G et al : The effect of periodontal therapy in diabetics. Results after 5 years. J Clin Periodontol 23 (2) : 92-100,1996.
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この文献は、糖尿病の有無と歯周治療の効果による相違に関するもので、5年という経過観察においては、統計学的有意差は認められなかったという結果が得られています。
一方、糖尿病の有無とインプラント周囲炎のなりやすさについては、統計学的有意差が認められるという報告があります。
今後、どのような条件が追加されれば、糖尿病患者においてもインプラント周囲炎が起きにくくすることができるかが分かれば、今後のインプラント治療は、より安心感のあるものへ変化することでしょう。