良好なプラークコントロールとインプラント周囲炎
良好なプラークコントロールとインプラント周囲炎
プラークコントロールが良好でありさえすれば、インプラント周囲組織に炎症が起こることはないのでしょうか。
Franssonら(2005)は、ブローネマルクインプラントに上部構造が装着されて5年以上経過している患者群において、インプラント周囲における進行性骨吸収の有無を調べました。
対象は1999年にブローネマルククリニックで年1回のリコールを受けていた患者さん1346人のうち、少なくても5年間以上のX線写真資料がそろっており、埋入手術に際して骨造成が行われておらず、固定式のインプラント上部構造による補綴処置を受けた662人でした。
患者さんらは術後、イエテボリ大学における厳格なSTを受けていたにも関わらず、上部構造装着5年後のインプラントに3スレッド(ねじ山)以上の進行性骨吸収を認めた症例は184人にものぼり、全体の27.8%に達しました。
わずか5年の経過期間で約4人に1人という高率でインプラント周囲に骨吸収が認められているという現状が報告されたのです。
これに続く研究では、これらの骨吸収部位に炎症が認められたと報告しています。
つまり、4人に1人はインプラント周囲炎に罹患した可能性を示唆しています。
(参考文献)
Fransson C et al : Prevalence of subjects with progressive bone loss at implants. Clin Oral Implants Res 16 (4) : 440-446,2005.