歯肉の厚みと、インプラントの埋入深度

Linkeviciusらは、インプラント周囲粘膜の厚みが、埋入から1年後のインプラント周囲での骨吸収に及ぼす影響を評価した報告で、インプラント周囲粘膜組織の厚さは、インプラント周囲骨の安定性に対して重要な影響を及ぼし、周囲粘膜の厚さが2.0ミリ以下の場合は、インプラントとアバットメントの接合部の位置に関係なく、平均で1.61ミリ骨吸収が起きるとし、一方、周囲粘膜の厚さが2.5ミリ以上存在するケースでは、骨吸収は平均0.26ミリ抑えられたとしている。

(参考文献)
Linkevicius T, Apse P, Grybauskas S, Puisys A.: The influence of soft tissue thickness on crestal bone changes around implants: a 1-year prospective controlled clinical traial. Int J Oral Maxillofac Implants. 24(4): 712-19,2009.


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インプラント治療を行う際に、歯肉の厚みが薄い方が、骨吸収の程度が大きいというエビデンスです。

ということは、歯肉が薄い症例の方が、埋入深度を深めにしなくてはなりませんから、もともと歯槽骨の高さが不足している方の場合では、増骨と歯肉移植の両方が必要となることもあるでしょう。

ただ、インプラントを希望される方の中で、「義歯がうまく使えなかった」という経過をお持ちの方の場合、歯肉が薄いケースは少なくありません。

また義歯になってからの期間が長期にわたっている場合は、歯槽骨の吸収の程度も、やはり大きくなりますから、「いつかインプラント治療を受けたい」とお思いなら、より条件の良い"若い時期"に行う方が良いと考えています。

2014年4月 1日

hori (16:29)

カテゴリ:インプラントについて

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