スクリューリテインのインプラントは、セラミックの破折が多い。

Al-Omariらはインプラント上部構造におけるセラミック咬合面の破折抵抗の実験調査では、アクセスホールがないセラミック咬合面が、一番破折に対して抵抗があったと報告している。
これはセラミックが焼成後収縮していく過程で、アクセスホールがセラミック構造を不均一にすることが原因であるとしている。
(参考文献)
Al-Omari WM, Shadid R, Abu-Nabaa L, El Masoud B, Porcelain fracture resistance of screw-retained, cement-retained, and screw-cement-retained implant-supported metal ceramic posterior crowns. J Prosthodont 2010 ; 19: 263-73.
Zarone F, Sorrentino R, Traini T, Di lorio D, Caputi S. Fracture resistance of implant-supported screw-versus cement-retained porcelain fused to metal single crowns : SEM fractographic analysis. Dent Mater 2007 ; 23 : 296-301.
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スクリューリテインは、咬み合わせの面にアクセスホールがあり、通常そこにはプラスティックで蓋をします。
アクセスホール直上のプラスティックとその周囲のセラミックスとは、硬さが全く異なるので、プラスティック部分が選択的に咬耗します。
咬耗すると、アクセスホールの角張った部分のセラミックスが破折しやすくなるのです。
また、今回紹介した文献で、セラミックスの焼成後、アクセスホールがセラミックスを脆弱なものとすることも学びました。
スクリューリテインもセメントリテインも一長一短ですね。

2014年5月30日

hori (15:16)

カテゴリ:インプラントについて

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