重度歯周病患者では咀嚼によっても歯原性菌血症が生じる。
・重度歯周病患者では咀嚼によっても歯原性菌血症が生じる。
歯周病の重症度と咀嚼による菌血症(血中エンドドキシン量)の関係。 単位はpg/ml
歯周病の重症度(PIRI評価) 咀嚼前(n=67) 咀嚼後(n=67) 差(n=67)
低リスク(n=25) 0.62 1.8 1.17
中リスク(n=27) 1.33 2.4 1.11
高リスク(n=15) 0.56 6.1(p=0.037) 5.58(p=0.034)
(参考文献)
Greerts SO, Nys M, De MP, Charpentier J, Albert A, Legrand V, Rompen EH. Systematic release of endotoxins induced by gentle mastication : association with periodontitis severity. J Periodontol 2002 ; 73(1) : 73-78.
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咀嚼によっても、口腔内細菌が血中に侵入します。
つまり、歯原性菌血症の予防は、地道な口腔衛生活動と歯周病治療であることがわかります。
歯原性菌血症は、以下のような全身疾患と関連があります。
すなわち、アルツハイマー病、関節リウマチ、アテロームプラークが形成されることによる臓器の老化などと関連します。
重度歯周炎でも、抜きたくないという思いが強い患者さんは少なくありません。
しかしながら、体のためにも特に症状が重い歯をインプラントに置き換え、インプラントに咬合力を負担してもらうというのは、その他の歯の寿命を延ばすことに繋がります。
そのような意味では、インプラント治療は予防歯科であるという見方もできます。