インプラント周囲炎の原因菌は何なのか?

・歯周病よりもインプラント周囲炎で高く検出されたのは、Dialister spp.,Enbacterium spp.,Porphyromonas spp.であった。
また、歯周病では認められず、インプラント周囲炎で検出されたものは、Parvimonas micra, Peptostreptococcu stomatis, Pseudorami-bacter alactolyticus, Solobacterium moorei であった。
(参考文献)
Comprehensive microbiological findings in peri-implantitis and periodontitis.
Koyanagi T, Sakamoto M, Takeuchi Y, Maruyama N, Ohkuma M, Izumi Y. J Clin Periodontol. 2013; 40: 218-226.
・Staph. aureus, Strep. intermedius, T. forsythia の3種類がインプラント周囲炎との関連性が示唆された。
また、年齢、性別、性別、喫煙(経験)、歯周病の既往について調整して分析したところ、年齢、Staph. aureus, T. forsythiani にインプラント周囲炎との関連性が示唆された。
(参考文献)
Cluster of Bacteria Associated with Peri-implantits.
Persson GR, Renvert S. Clin Implant Dent Res. 2013 Mar 25. doi : 10.1111/cid.12052.
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『歯周病とインプラント周囲炎の原因菌は異なるのか?』という内容をテーマにした論文の紹介です。
二つの論文で、『どのような状態をインプラント周囲炎と規定するのか。』という基準自体異なるということと、さらに、対象とする細菌が異なるため、両者の結果が一致していないのだと考えられます。
将来、明確にどの細菌が、どの程度、インプラント周囲炎の発症に関係しているのかが分かれば、インプラント周囲炎への対処法も容易なものへと変わることでしょう。

2014年4月15日

hori (08:55)

カテゴリ:インプラントについて

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