カリエスリスクと修復物辺縁の設定位置

・カリエスリスクと修復物辺縁の設定位置
カリエスリスクが高い場合、辺縁の設定部位は歯肉縁下が望ましいという考え方があります。
これは、歯肉炎付近は不潔域であるために、その部分を修復物でカバーするという「予防拡大」の考え方からきているようです。
しかし、この「予防拡大」に関しては、
1.歯肉縁下に辺縁を設定すると歯肉に対する為害作用が大きくなり、この影響を含めて経年的に歯肉退縮が起こり、歯肉縁下に辺縁を保つことが難しくなる。
2.辺縁部からのセメントの溶出やメタルの変形などにより不潔域をつくる。
3.二次齲蝕を発見しにくく、その後の対応も歯肉縁下のため難しくなる。
などの問題を抱えてまで歯肉縁下に辺縁を設定した方がよいという考え方には疑問を感じています。
現在のところ、辺縁の設定位置とカリエスリスクに関する研究も少なく、どちらが効果的という結論は出ていません。
今後、高齢者、口腔乾燥症の根面齲蝕への対応も含めて、情報収集が必要な課題だと思います。
(これで解決! 欠損補綴とブリッジ修復 )
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私も学生時代に、修復物の辺縁は歯肉縁下に設定するものと習いました。
しかしながら、実際歯科臨床を行っていると、この本を書かれた歯科医師と同様、私も修復物辺縁は必ずしも歯肉縁下にしなくてもよいのでないかという考えに至っています。
これに限った話ではありませんが、私たち術者が学生時代の知識のまま診療を行うことはリスクであると言わざるを得ません。
まして、学生時代にインプラントを学問として学んでいない私たちを含めたそれより上の世代の歯科医師が、インプラント治療を行うのであれば、しっかりとインプラントについての研鑽をしなければならないでしょう。
というのも、医学は日進月歩で第一選択なスタンダードな治療が変化する場合が少なくないからです。

2015年7月15日

hori (15:13)

カテゴリ:インプラントについて

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