解剖を熟知しているのは"当たり前"。
・腹腔鏡の手術では、開腹と比べて視野が限られてくる。
小さなカメラを通して見える像がどんな形をした胆嚢のどの部分なのか、近くの血管の走行や他の臓器との位置関係はどうなのかは当然熟知していなければならない。
誰も胆嚢の解剖を熟知していない外科医に胆嚢の手術をしてもらいたいとは思わないはずだ。
実はこのような状況は他人事ではない。
われわれもSRPをするときに、根面の解剖を熟知しているのは"当たり前"なのだ。
SRPを予定している歯のどこに根面がどれくらい凹んでいて、どのあたりに根分岐部が開口しているかなんて知識は頭に刷り込まれていなければ効果的なSRPはできない。
しかもわれわれは、内視鏡を使うこともなく、手探りでSRPをしなければならないのだから条件が悪い。
(SRP修行論 )
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大学での歯科専門課程の教育は、解剖学などの基礎を学んだ後に実際に歯科治療を行う際に臨床的な分野を学びます。
すなわち、歯科学の全体像が見えていない状態で、解剖学を学ぶことになるのです。
さらに、解剖学は歯の解剖はもちろん、全身の解剖も含まれており、覚えなければならない量は膨大です。
そのため、どうしても解剖学の勉強が不足した状態で卒業してしまった人間はおそらく私だけではないでしょう。
そうなると、解剖学の知識が不足していることが、臨床レベルをアップさせていく際に、ボトルネックとなっていることに後になって気が付くのです。
私の場合は、亡くなった方の頭頸部を使用させていただいて、解剖の勉強をするために海外に出かけました。
インプラント治療には、頭頸部の解剖の知識が必須だからです。
学生時代の解剖学は、インプラント治療をベースにしたものではないために、海外研修は非常に有益でした。
また参加したいと考えております。