インプラントケース : 40
今回のインプラントは左下臼歯部。
一見、歯槽骨が十分あるようにも見えるのですが、このような症例ほど注意が必要です。
非常に硬く薄い皮質骨の直下には豊富な海綿骨があります。
不用意に通常通りのドリリングをしてしまうと、初期固定がまったく取れなくなってしまいます。
今回はアダプテーション・テクニックという方法を採用するとともに、タップは多めに切るような治療方針を取ることにしました。
そして、もうひとつ今回の症例の難しいところは、付着歯肉の量が極端に少なく、歯槽頂付近まで頬粘膜が来ているところです。
インプラント周囲に粘膜が存在すると、インプラントのネック部の歯肉が動かされ、辺縁歯槽骨の吸収を引き起こすことがあるからです。
このようなケースでは、前庭拡張、CTG、FGGなどのオペを追加して、付着歯肉を増大させる必要があります。
一歩一歩確実に、長期に亘って安定するインプラント治療を進めていきたいと考えております。