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入れ歯を拒否し続けた65歳女性の話
天気が悪いと、入れ歯の調子が悪い?!
天気が悪いと歯科医院では、入れ歯で来院される方が多いように感じます。
(ただ、大雨や台風などの本当に天気が悪いときには、我慢されている方も多いのも現状です。)
天気が悪いとき、台風や大きな低気圧が近づいていることが少なくありません。
このような時、気圧低下に伴う交感神経の働きとして、唾液分泌が減少します。
入れ歯は唾液の表面張力で安定するので、唾液、とくにさらさらした唾液が減少すると、入れ歯の安定が悪くなります。
(人間の体はリラックスした状態であれば、副交感神経が優位となり、緊張した状態が続くと交感神経が優位になります。
また、交感神経が優位の緊張した状態は、自然と噛み締めを誘発するので、入れ歯を使用されている方であれば、『入れ歯を入れていると痛い!』という状態になりやすいということになります。
(また、ついでですが、口が渇いてネバネバの状態になるのは、体が緊張している証拠となります。
この状態が交感神経が優位という状態です。)
入れ歯の痛みの2大原因を挙げれば、ひとつは入れ歯が動くこと、もうひとつは歯茎や粘膜が薄いことが挙げられますが、元々入れ歯で苦労している方は、気圧低下により、より一層の苦労を強いられるということになります。
入れ歯の動きを最小にすることは私たち歯医者はできますが、(その方の咬合力に比較して、)薄い粘膜を厚くすることはできません。
ということは、歯医者があなたの入れ歯の不調和を完全に取り除くことは、必ずしもできない場合があるということになります。
ご自分の歯茎あるいは粘膜が薄いという指摘を受けたことがある方は、最初から入れ歯ではなく、インプラント治療を選択された方が無難です。
インプラントであれば、あなたの咬合力のすべてを歯槽骨で受け止める訳ですから、粘膜の厚さに全く影響を受けないということになります。
また、あなたの噛み方によっては、どんな名人が入れ歯をお作りしても、入れ歯は動くことになります。
入れ歯が動く噛み方を普段からされている方は、入れ歯が動きにくい噛み方を体得されるか、そのような噛み方を続けても、痛みを感じない治療方法を選択されるべきです。
(入れ歯が動きやすい噛み方をされている方に、動きが最小になる噛み方を指導していますが、頭では私がお話した内容がわかっていても、実際の食事の際には、また元の噛み方に戻ってしまう方が少なくなりません。)
ご自分の歯を気にしないで、あなたが人生をエンジョイできるように、堀歯科医院は全力を尽くす決意です。
あなたにとって、歯に関する悩みが一切なく、何でもバリバリ食べることができる毎日が到来することを期待します。
インプラントの難症例を前に
複雑な隔壁のある上顎洞への増骨処置を行うこととなりました。
上顎臼歯部には副鼻腔のうちの一つ、上顎洞があります。
上顎洞は上顎臼歯の歯根が中に入っている場合も少なくないため、抜歯をした時点で、お口と上顎が交通するのは珍しいことではありません。
またその時点でインプラントを埋入するために必要な歯槽骨量が不足することも多く、日本人での上顎臼歯部には上顎洞内への増骨処置は必要となることが多いのが現状です。
今回依頼を受けた患者さまの上顎臼歯部は、歯槽骨量が1ミリと極端に歯槽骨量が不足しているために、先に上顎洞内に増骨処置を行ない、治癒期間をはさんで、インプラント埋入を行なう予定となりました。
パノラマレントゲンでは隔壁の存在はある程度把握できましたが、ステントを装着してCTによるシュミュレーションを行なった結果、複雑に隔壁が入り込んでいることが3次元的に把握することができました。
この難症例に対して、うまく増骨処置ができたならば、インプラント学会で症例提示ができるくらいハイレベルのものであることが分かりました。
(私も様々な学会、あるいはセミナーで、多くのインプラントロジストとの発表を拝聴していますが、今回のケースを超える難易度のものを拝見したことがありません。)
前医からは『この部位にはインプラントはできない。』との説明があったそうですが、個人的には時間は少し多めに必要となるけれど、できないことはないだろうと考えています。
こんな身近に、人生の師が!
基本的には私が最初に電話に出ることはないのですが、妻が震災後の片づけをしていてすぐには出れない状態だっとので、私が電話に出ることにしました。
電話機に表示されている相手方の番号は「023」。
山形からの電話かもしれないと思いました。
電話に出てみたところ、声に覚えのない老女の声。
相手は何と私の祖母に世話になったという方からの電話でした。
話を聞いて見ると、『当時山形県酒田市で高校の教員をしていた祖母に、学生時代に一生懸命指導をしてもらい、ずっと感謝して生きてきたこと。その後も時折連絡を取り、"良い関係"を続けてきたこと。
歯がなくなると認知症になる?!その2
歯がない(咀嚼力が低い)人は、認知症のリスクが上昇するという研究データが、第21回日本疫学学会学術大会で発表されました。
それによると仮に歯を失って咬めない状態になっても、インプラント治療を受けることで、認知症リスクを低下させることができることが明らかになりました。
細かいデータとしては、歯がほとんどなく咬めない状態の人の認知症リスクが100とすると、仮に歯を失ってもインプラント治療を受けて、しっかりと咬める状態になった人の認知症リスクは53という結果が得られました。
入れ歯を使用することを余儀なくされたようなお口の状態でも、インプラント治療を受けることで、単に咬めるようになるだけではなく、近い将来、認知症になるリスクをほぼ半分にすることが可能となることが明らかになったことになります。
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日本福祉大学の近藤克則教授、神奈川歯科大学の山本龍生准教授らが、2010年度厚生労働科学研究として行なった分析で、咀嚼能力の低い人は認知症の発症リスクが高くなることが明らかになった。
(第21回日本疫学学会学術大会)
調査は、愛知老年学的評価研究(AGES)プロジェクトのデータを基とし、2003年10月時点に要介護認定を受けていない65歳以上の人を対象としたもの。
4年間追跡調査できた4425人について、要介護認定を伴う認知症度?以上が発症するまでの各日数や歯数、咀嚼能力、かかりつけ歯科医院の有無、年齢、BMI、飲酒、運動、等価所得に、認知症を伴う要介護認定と有意な関係が認められた。
多変量解析においては、年齢とBMI、飲酒、運動、等価所得および治療中の疾患の有無、について調査した後も、現在歯数およびかかりつけ歯科医院の有無は、認知症を伴う要介護認定と有意に関係することが分かった。
リスク度合いの計算では、20歯以上の人と比べて、歯がほとんどなく義歯未使用の人の認知症発症リスクは1.9倍だった。