歯槽骨再生療法とインプラント

歯牙が大きく動揺しているものに対して、再生療法を希望する患者さまが来院されました。

私の判断基準は、歯牙の動揺がどれほど大きいかということよりも、その歯牙の周囲にはどのくらい歯槽骨があるかということについてです。

ちなみに、歯周組織精密検査とレントゲン検査により、歯牙周囲の歯槽骨量を把握します。

歯槽骨再生療法を施術する前に、まずしなくてはならないことは、歯牙周囲の炎症を徹底的に除去することです。

完全にきれいな状態にしてからでないと、再生療法を施術しても全く効果がないからです。

またもう一つ重要なことがあります。

再生療法を行う歯牙に動揺があると歯槽骨は再生しないということです。

それをクリアするためには、前後に動揺のない歯牙と連結固定する必要があります。

"連結固定する"とは、被せがない歯牙であろうとなかろうと、歯牙をバリバリ削り、連結冠を被せて固定しながら、歯槽骨再生療法を行うことが必要であるということです。

今回の相談者の再生療法を希望する歯牙の前後は、被せのない完全なる天然歯だったので、それらを削ってまで、重度の歯周病の歯牙に再生療法を施術することは不適切であるということをお話ししました。

今回のケースでは、重度の歯周病に罹患した歯牙は抜歯し、インプラント治療を行う方が前後の歯牙には優しい治療方針であると判断しました。

この方は重度の歯周病に罹患しているにも関わらず、4年間も歯科医院を訪れることなく、今回痛みが強いことを理由にようやく来院されたのでした。

歯槽骨再生療法に関心を持たれるレベルの方でありながら、なぜもう少し早く堀歯科医院を来院されなかったのか、残念でなりません。

2010年6月11日

hori (05:35)

カテゴリ:コラム

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