私にとって、インプラント治療とは
インプラントセミナー参加のため、仙台出発です。
堀歯科医院のブログで、インプラントはそろそろ得られる知識が横ばいになってきたとお話ししたばかりなのですが、やはり今週末もインプラントセミナー参加のため、東京に出張です。
インプラントも普通に埋入し、ただ咬めればよいというものであれば、材料の進歩にも助けられ、さほど難易度は高くない時代になってきた印象があります。
しかしながら、長期に亘って使用可能で、かつ審美的なインプラント治療というのは、意外と難易度が高いという印象もあります。
私は、『堀歯科医院のインプラント治療は長期に亘って使用可能で、かつ審美的に安定したものにしたい!』と考えているので、インプラントが審美的に安定するために必要とされるすべての要件を頭に入れておきたいと常々考えています。
(これらの要件は、各インプラントロジストがそれぞれの経験から導き出しているものであるために、なるべく多くのインプラントロジストの意見を聴く必要があると考えているのです。)
皆さんは意外に感じられるかもしれませんが、私が歯学部に6年間在籍して、インプラントについて教わったことはほぼ皆無です。
というのも、インプラントという科目が存在せず、特別講義で1コマ聴講しただけと記憶していますから。
今でこそ、どこの歯科医院でも当たり前にインプラント治療を行っている印象があるくらい、インプラント全盛のような感がありますが、ちょっと前までは、『医師としてインプラントなぞ、するべきではない!』と声高に言い放つ歯科医師もいたくらいです。
そのくらい、インプラントの予知性について、不安視されていた時代もあったのです。
また、少なくとも私よりも歯科医師免許を早く取得した歯科医師は当然インプラントを大学で学んでおらず、インプラントについて学ぼうとするなら、大学卒業後に自腹で研鑽を積むしか道はなかったのです。
いつ頃からインプラント学が大学の単位になったのか分かりませんが、ごく最近になってからの頃かと思います。
私が歯学部の学生だった頃は、口腔外科ではインプラントは普通に行われていたのですが、まだエビデンスに乏しかったのかもしれません。
また、大学によっては、早期にインプラントを学生に講義をしていたところもあったかもしれませんが。
私としては学生時代に勉強していない以上、卒業してからインプラントを学ぶのは当たり前であると思うのですが、同業歯科医師に会うと、『インプラント、頑張っているね。』などと声をかけられることも多く、若干の違和感を感じるのも事実です。
10年も昔になりますが、あるインプラントロジストに、『インプラントするならそれについてしっかり勉強すること。勉強しないならインプラントなぞ気軽に行わないこと。』と言われたことが、昨日のことのように思い出されます。