インプラントを義歯の直接支台として使う場合
・天然歯に側方力が加わると、回転中心は歯根の根尖側1/3となるのに対して、インプラントではプラットフォーム周囲の骨が回転中心となる。
そのため、インプラントでは天然歯よりも大きな力が頸部インプラントに周囲骨に加わる。
Eomらは有限要素法による検討を行っており、3歯の上顎遊離端欠損の直接支台がインプラントの場合では、天然歯である場合に比べて皮質骨に約10倍の応力が加わっていることを報告している。
(参考文献)
Eom JW, et al. Three-dimentional finite element analysis of implant-assisted removable partial dentures. J Prosthet Dent. 2017; 117(6): 543-742.
*****
過大な咬合力で歯を喪失した患者さんには、インプラントを3歯の遊離端欠損の直接支台として使用するのはリスクがあるということになります。
また粘膜の厚みや歯槽骨の質の違いからも下顎よりも上顎の方がリスクが高い可能性が窺えます。