歯周病治療で肝硬変の症状改善か?

先行研究では、肝硬変患者では腸内及び唾液中の微生物叢が変化しており、これが歯周炎を発症させ、肝硬変関連の合併症のリスクを高める恐れがあることが確認された。
さらに、いくつかの研究で、肝硬変患者では全身の炎症レベル上昇がみられ、これが肝性脳症に伴うものであることも示されている。
研究者らは、肝硬変および軽度?中等度の歯周炎を有する志願者の2群を調査した。
1群には歯周疾患治療を実施し、もう1群には治療を行わなった。
全志願者に対して、治療前後には認知機能を評価する標準検査を実施した。
歯周疾患治療後、参加者、特に肝性脳症を有する参加者では、唾液中の内毒素産生菌数が減少しただけでなく、炎症軽減につながると思われる有益な腸内細菌数の増加も認められた。
未治療群では、同時期に血液中の内毒素レベルの増加がみられた。
研究チームは、治療群にみられた改善は、口腔内炎症を軽減させて全身の炎症を抑えることに寄与し、あるいは飲み込まれる細菌数の減少につながり、結果として、腸内微生物叢に影響を与える可能性があると示唆した。
研究者らによると、治療群では認知機能も改善したことから、すでに疾患に対する標準治療を受けている患者では、体内の炎症レベル低下によって肝性脳症の症状のいくつかは最小限に抑えられる可能性が示された。
「肝硬変の蔓延は、現行の治療法によっても持続する炎症および微生物の変化によって悪化している。
このため、腸以外の起源を探る必要が生じ、その毛か、口腔内が重要ながら無視されてきた部位であることを見出した」と述べている。
(Dental Tribune Japan Edition 12/2018 )
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歯周病治療によって、腸内の細菌フローラが変化し、肝硬変関連の合併症における、状態の程度を下げる可能性があるそうです。

2019年1月20日

hori (10:07)

カテゴリ:歯周病の悩み

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