研修・セミナー受講の最近のブログ記事

解剖を熟知しているのは"当たり前"。

・腹腔鏡の手術では、開腹と比べて視野が限られてくる。
小さなカメラを通して見える像がどんな形をした胆嚢のどの部分なのか、近くの血管の走行や他の臓器との位置関係はどうなのかは当然熟知していなければならない。
誰も胆嚢の解剖を熟知していない外科医に胆嚢の手術をしてもらいたいとは思わないはずだ。
実はこのような状況は他人事ではない。
われわれもSRPをするときに、根面の解剖を熟知しているのは"当たり前"なのだ。
SRPを予定している歯のどこに根面がどれくらい凹んでいて、どのあたりに根分岐部が開口しているかなんて知識は頭に刷り込まれていなければ効果的なSRPはできない。
しかもわれわれは、内視鏡を使うこともなく、手探りでSRPをしなければならないのだから条件が悪い。
(SRP修行論 )
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大学での歯科専門課程の教育は、解剖学などの基礎を学んだ後に実際に歯科治療を行う際に臨床的な分野を学びます。
すなわち、歯科学の全体像が見えていない状態で、解剖学を学ぶことになるのです。
さらに、解剖学は歯の解剖はもちろん、全身の解剖も含まれており、覚えなければならない量は膨大です。
そのため、どうしても解剖学の勉強が不足した状態で卒業してしまった人間はおそらく私だけではないでしょう。
そうなると、解剖学の知識が不足していることが、臨床レベルをアップさせていく際に、ボトルネックとなっていることに後になって気が付くのです。
私の場合は、亡くなった方の頭頸部を使用させていただいて、解剖の勉強をするために海外に出かけました。
インプラント治療には、頭頸部の解剖の知識が必須だからです。
学生時代の解剖学は、インプラント治療をベースにしたものではないために、海外研修は非常に有益でした。
また参加したいと考えております。

2015年7月10日

hori (08:58)

カテゴリ:研修・セミナー受講

オールオンフォーはインプラント周囲炎にならない?! そんな訳ないでしょ。

・全顎抜歯による口腔内細菌への影響は?
歯周病に罹患した歯すべてを抜去した後、これらの細菌が口腔内から検出されなくなったとする意見と検出されたとする意見に分かれている。
無歯顎になった後にインプラントが埋入される場合、口腔内に菌が残っているとその菌がインプラント周囲組織に伝播し、インプラント周囲炎を引き起こす可能性が考えられる。
今回紹介する論文は、全顎抜歯後のAggregatibacter actinomycetemcomitans(A.a.)とPorphyromonas gingivalis(P.g.)への影響を、培養とPCRで評価することを目的とした前向きコホート研究である。
材料と方法
中等度-重度の成人の歯周炎患者30名が対象となった。
選択基準は4歯以上のホープレスな歯のみが残存し、すべてが抜歯される計画であることであった。
全顎の抜歯前(T0)、抜歯1か月後(T1)および3か月後(T2)に唾液、舌、頬側歯肉、粘膜から試料が採取され、T0では歯肉縁下プラーク、T1、T2では補綴物からもサンプルが採取された。
好気培養、嫌気培養、リアルタイムPCRにより菌の同定が行われた。
結果
A.a.(培養)     A.a.(qPCR法)   P.g.(培養)    P.g.(qPCR法)
T0 4名           4名         12名         13名
T1 1名           1名          0名          8名
T2 0名           1名          1名          7名
舌、唾液中の総菌数について、抜歯前後で変化がなかったが、粘膜から採取されたサンプル数の嫌気培養された場合の平均総菌数のみ、T0とT2の間に有意な減少がみられた。
また、好気性菌の総数の嫌気性菌に対する割合は、T2と比較してT0で有意に高かった。
結論
1. 歯周炎に罹患した歯すべてを抜去して3か月経過すると、口腔内細菌数は減少するが、P.g.などの歯周病原菌と考えられる菌が検出される場合がある。
2. 抜歯によりすべてが解決するわけではなく、インプラント埋入後も感染に対する十分な対応が必要である。
(参考文献)
de Waal YC Winkel EG, Raangs GC, van der Vusse ML, Rossen JW, van Winkelhoff AJ. Changes in oral microflora after full-mouth tooth extraction : a prospective cohort study. J Clin Periodontol 2014 ; 41(10) : 981-989.
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以前、オールオンフォーのセミナーを受けました。
その際に、講師の歯科医師が、『すべて歯を抜歯するので、歯周病菌はいなくなり、そのためオールオンフォーではインプラント周囲炎にはならない。』と話していました。
個人的には、『本当だろうか?』と感じていました。
今回のエビデンスで示すように、やはり口腔内に存在する歯をすべて抜歯しても、歯周病菌は残っているようです。
またそれゆえに、オールオンフォーも他のインプラントと同様、インプラント周囲炎になるリスクをはらんでいるといえます。
オールオンフォーに限らず、歯科セミナーは、それを販売する会社に都合の良いことを話す歯科医師が講師として選択されているので、すべてをうのみにすることは危険だということになります。

2015年4月 1日

hori (14:56)

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インプラントとブラキシズム

先日、ブラキシズムのセミナーに参加してきました。

ブラキシズムとは、歯ぎしりやくいしばりなどの非機能的な口腔運動を差し、特にインプラント治療の長期安定を阻害する主要要因と考えられています。

ブラキシズムが疑われる場合、過大な咬合力がインプラントあるいはその周囲へかかることになり、最も弱い部分にその影響が現れます。

たとえば、インプラント上部の被せ物の破損、インプラントに土台を固定するネジの破損、インプラント周囲の歯槽骨の吸収などが挙げられ、時にその複数が発現することもあります。

このブラキシズムは患者さま自身の自覚がないことも多く、私たち歯科医師はそれを認識させるところ、理解させるところから始めなくてはなりません。

ある意味、インプラントの埋入オペ自体よりも、患者さまによっては、ブラキシズムの存在を知らしめる方が困難という場合もあります。

またブラキシズムの対処方法ですが、何かしらの方法でない状態にするという方法は、現在のところないと言われています。

ブラキシズムを減らす方法としては、ある薬物を使用する方法がありますが、その処方を歯科医師が行なうことができるものはないと聞きます。

では、ブラキシズムに対して、私たち歯科医師はどのように対処しているのか。

ブラキシズムについての個人的な意見としては、中枢が関与する運動であるがゆえに、末梢でどうにかできるものではありませんので、ブラキシズムが発現した時でもインプラントを破壊しないように、ナイトガードの使用を義務としています。

セラミックスの硬さよりも柔らかい素材を使用することで、そちらが減ることで、インプラントを守ることが出来るのです。

インプラントの長期安定にはメンテナンスが必須であることについては、度々コラムの中で紹介していますが、メンテナンスの内容の半分はこの過大な咬合力の集中を回避するための咬合調整なのです。

定期的な咬合調整なくして、インプラントの長期安定はありえないのです。

2010年6月17日

hori (11:22)

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インプラント学会認定医取得!

ドイツ口腔インプラント学会の認定医試験に合格しました。


長期にわたって状態が安定している症例20の提出、および認定医の記述試験の合格をもって、晴れて私もインプラント学会の認定医となることができました。


これからも研鑽を積んで、より良い治療を患者さまに提供できるように努力したい!とお考えております。

2015年4月、認定医資格更新しました。

2009年11月27日

hori (05:59)

カテゴリ:研修・セミナー受講

堀歯科医院のインプラント治療への意気込み

インプラントセミナー参加のため、東京出張です。

今回はインプラントのシンポジウムということもあり、全国のインプラントを専門とする歯科医師がセミナー講師として、集合しています。

大人数の歯科医師を会場に集めたシンポジウム形式のセミナーは、突っ込んだお話や裏話的な内容を中々聞くことができない一方で、短時間に多くの歯科医師のインプラント治療に対する考え方を知ることができるというのが、何よりのメリットといえます。

主義主張の異なる歯科医師が自らのインプラント臨床について、『このような方法で治療を行った結果、例えば10年後にこのような結果となった』というようなデータを提示してくれるでしょうから、毎回セミナーを受講する度に、私の頭の中にそのようなデータが蓄積されます。

セミナー講師のインプラント治療の失敗を疑似体験することで、堀歯科医院でインプラント治療を受ける方には、それと同じ失敗を繰り返さないようにするために、他の歯科医師の行ったインプラント治療の失敗症例を目に焼き付けているのです。

堀歯科医院もインプラント症例がだいぶ増えてきましたが、それでもインプラント治療をはじめて20年、30年の歯科医師には症例数で遠く及びません。

その症例数の差を埋めるためにセミナーを受講していることになります。

2009年2月18日

hori (01:20)

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長期に安定したインプラントを目指して : その9

インプラントセミナーで仙台出発です。

今回はインプラントセミナーといっても私がこれまで受講したものの中でも、特に上級者向けといっても過言ではないインプラントセミナーです。

歯周病専門医が行うインプラント治療と口腔外科専門医の行うインプラント治療には、やはり違いがあります。

その違いとは、口腔外科専門医は人工の材料ではなく天然の材料の使用を好むことでしょうか。

インプラント治療を行う際には、埋入する部位の周囲に歯槽骨が不足していることは少なくないのですが、この歯槽骨が不足した場合に、人工骨を使用するのではなく、自家骨を使用することがこの口腔外科専門医の場合には多いということになります。

骨のクオリティーはやはり自家骨に勝るものはないのですが、やはり大量に必要とする場合には、その患者さまの身体の他の場所から持ってくることとなります。

腰や脛、オトガイ、下顎枝などから採取することが多いですね。

今月予定のインプラント治療は歯槽骨も付着歯肉も不足している症例なので、どのようにアプローチすれば最も効果的か、インプラントセミナーを受講しながら考えることとなります。

今週もインプラントセミナー参加のため、私の土曜日の堀歯科医院の診療をお休みさせていただきますが、他の歯科医師は通常通り診療を行っておりますので、ご安心ください。

hori (01:14)

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私にとって、インプラント治療とは

インプラントセミナー参加のため、仙台出発です。

堀歯科医院のブログで、インプラントはそろそろ得られる知識が横ばいになってきたとお話ししたばかりなのですが、やはり今週末もインプラントセミナー参加のため、東京に出張です。

インプラントも普通に埋入し、ただ咬めればよいというものであれば、材料の進歩にも助けられ、さほど難易度は高くない時代になってきた印象があります。

しかしながら、長期に亘って使用可能で、かつ審美的なインプラント治療というのは、意外と難易度が高いという印象もあります。

私は、『堀歯科医院のインプラント治療は長期に亘って使用可能で、かつ審美的に安定したものにしたい!』と考えているので、インプラントが審美的に安定するために必要とされるすべての要件を頭に入れておきたいと常々考えています。

(これらの要件は、各インプラントロジストがそれぞれの経験から導き出しているものであるために、なるべく多くのインプラントロジストの意見を聴く必要があると考えているのです。)

皆さんは意外に感じられるかもしれませんが、私が歯学部に6年間在籍して、インプラントについて教わったことはほぼ皆無です。

というのも、インプラントという科目が存在せず、特別講義で1コマ聴講しただけと記憶していますから。

今でこそ、どこの歯科医院でも当たり前にインプラント治療を行っている印象があるくらい、インプラント全盛のような感がありますが、ちょっと前までは、『医師としてインプラントなぞ、するべきではない!』と声高に言い放つ歯科医師もいたくらいです。

そのくらい、インプラントの予知性について、不安視されていた時代もあったのです。

また、少なくとも私よりも歯科医師免許を早く取得した歯科医師は当然インプラントを大学で学んでおらず、インプラントについて学ぼうとするなら、大学卒業後に自腹で研鑽を積むしか道はなかったのです。

いつ頃からインプラント学が大学の単位になったのか分かりませんが、ごく最近になってからの頃かと思います。

私が歯学部の学生だった頃は、口腔外科ではインプラントは普通に行われていたのですが、まだエビデンスに乏しかったのかもしれません。

また、大学によっては、早期にインプラントを学生に講義をしていたところもあったかもしれませんが。

私としては学生時代に勉強していない以上、卒業してからインプラントを学ぶのは当たり前であると思うのですが、同業歯科医師に会うと、『インプラント、頑張っているね。』などと声をかけられることも多く、若干の違和感を感じるのも事実です。

10年も昔になりますが、あるインプラントロジストに、『インプラントするならそれについてしっかり勉強すること。勉強しないならインプラントなぞ気軽に行わないこと。』と言われたことが、昨日のことのように思い出されます。

hori (00:53)

カテゴリ:研修・セミナー受講

インプラントセミナー発表準備!

歯科医師向けインプラントセミナー講師を引き受けた私ですが、次第に発表当日が近づいてきております。

ただ骨のあるところにインプラントを埋入するというのでは芸がないので、ソケットプリザベーション、GBR、ソケットリフトを併用した骨造成、おまけでエムドゲインについても発表して来ようかと考えています。

当初は二つの症例をお見せしようかと考えていたのですが、割り当ては30分しかないために、どうやら少々オーバーしそうな勢いです。

ひとつの症例で今以上に膨らませてお話するか、コンパクトにまとめたものを二つお見せするかというところでしょうか。

やはり人前でプレゼンテーションするというのは、ある意味勉強になりますね。

自分の中ではエビデンスがあると考えているものでも、実際にそれが誰のどの論文かまで調べ上げるのは意外と骨が折れます。

今回の症例発表を利用して、インプラントについて、自らの頭を整理してみたいと考えています。

2007年12月 5日

hori (01:14)

カテゴリ:研修・セミナー受講

インプラントセミナーで東京出張!

インプラントセミナー参加のため、東京出張です。


今回は上顎臼歯部に頻発する、骨質も悪く歯槽骨も少ないような症例でもインプラント埋入を可能とするテクニック習得のための東京出張です。


現在は既存の歯槽骨がある場所にインプラントを埋入できるのは当たり前の時代ですが、少々条件が悪くても、何とかインプラントを機能させる事ができる歯科医師でありたいものです。


でも、それが裏づけのない変な自信であってはいけません。


確実に、確実に、一歩ずつ着実に歩んでいきたいと考えています。

2007年9月 1日

hori (16:38)

カテゴリ:研修・セミナー受講

インプラントでも歯列矯正でも!

歯列矯正のセミナー参加で東京出張です。


今回は、東京でご開業の歯列矯正専門医K先生のセミナー。


今回のK先生のセミナーでは、紹介するすべての症例に対して、 堀歯科医院の歯列矯正でも出番の多いデーモンシステムを使用した症例だというのだから、28日(木) の堀歯科医院の午後を休診にしてでも是非聞きたいと思いました。


平日のセミナーで、私とはるみ先生が同時に同じセミナーを受講するのは初めてかもしれません。


院長と博子先生は28日(木)は午前のみ診療をすることになっていますので、何かお困りの方は午前中に来院していただければと思います。


6月は参加するセミナーが多く、東京が4回・大阪1回です。


今回が6月最後のセミナーとなります。


歯列矯正に限った話ではありませんが、知識や技術の習得に勤しんでいると、何かうまくいかない場面に直面したときでも、 『こうしたらうまくいくのではなかろうか?』というイマジネーションが働くような気がします。


やはり歯列矯正なら、歯列矯正セミナー→実際の歯列矯正治療→歯列矯正セミナー→・・・。


インプラントなら、インプラントセミナー→実際のインプラント治療→インプラントセミナー→・・・。


歯列矯正でもインプラントでも、自分自身のレベルを上げていくには、やはりこれしかないように思います。


私たちは、参加したいセミナーに自由に行かせてもらっていますが、それを許してくれる現在の環境に感謝したいと思います。

2007年8月13日

hori (14:45)

カテゴリ:研修・セミナー受講

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